2016年06月19日

勝利/敗北

佐藤光留選手が、世界ジュニアヘビー級王座を戴冠した。

大好きなプロレスラーで、もっとも応援していて、彼のプロレスだけでなく本音と怨念のこもった文章に、マイクに、何度も「自分」を重ねていた。

そんな彼が、今夜、ずっと憧れて何度も何度も挑戦して届かなかったベルトを巻いた。
心底、うれしかった。

だけど。大きな歓喜に混ざるもっと大きな「驚き」に。

おれは気付かされてしまった。
おれは、まさか獲るとは思っていなかった。
おれは、これっぽちも佐藤選手のことを信じていなかった。

彼がどれほど勝ちたがっているかを知ってなお、いや知っているにも関わらず、敗ける姿を受け容れてしまっていた。確かに敗北してボロボロになっても、プロレスラーは格好いい。でもそれと、ファイターの「敗北」をどこか当たり前のこととしていること、「勝利」する姿を思い描けないで声援を送ることは違う。

「強さ」への信頼。誰よりも強くありたいというプロレスラーへ、その姿勢に憧れて自分の思いを何度も乗せたプロレスラーの「強さ」を「勝利」を信用できないで。

なにがファンだ。そう思った。

佐藤光留選手を、ずっと追いかけていたつもりだった。彼の言葉、想いを、理解しているつもりだった。
だけどやっぱりプロレスラーは凄い。おれの想像の、遥か遥か先にいつの間にか到達していた。おれは佐藤光留のことを、なんにも解っちゃいなかった。

10年プロレス観て、こんな気持になったのは初めてだ。本当にうれしい。それと同時に自分が情けない。
一番好きなプロレスラーが勝利した夜。おれはプロレスファンとして敗北したのだ。

敗けたならどうするか。這い上がるしかないだろう。
プロレスラーがそうであるように。
プロレスファンとして、いちから。


posted by 淺越岳人 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | プロレス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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